肩こりの元?気になるしこりの正体は筋硬結と呼ばれるものです

なんの気なしに肩をもんでいると、皮膚の下になんだかコリッとした感触が…。

このしこり、一体なんだろう?

肩こりの元?それともガン!?

いえいえ安心してください。

肩のしこりにはさまざまなものがありますが、その多くは「筋硬結」と呼ばれる筋肉の塊だと考えられます。

「筋硬結」とは聞きなれない言葉ですが、いったいどのようなものなのでしょうか?

気になる肩のしこり、筋硬結の正体とは?

筋肉は筋繊維とよばれる細長い細胞が無数に寄り集まってできていることが良く知られていますね。


激しく運動したり大きな負荷がかかったりすると、この繊維の一本一本が傷つき修復されていきます。いわゆる「筋肉痛」はこの過程の中で現れると考えられています。


また一度に多くの繊維が壊れてしまったら、『筋断裂』という大ケガになってしまいます。


このように、私たちの筋肉の働きは一本一本の繊維に着目して考えると良くわかってきます。


さて、そこで今回の主役「筋硬結」ですが、実は「筋硬結」は構造上の詳しいことはよくわかっていません。


しかし部分的に筋繊維が傷ついた後、その修復が不完全な状態で止まってしまったものだと考えるとわかりやすいのではないでしょうか。


つまり「筋硬結」とは、筋肉繊維に沿って生じる帯状または塊状のしこりで、ガンや異物ではないのです。


(参照:日本ペインクリニック学会


 


筋硬結の多くは、筋肉の疲労が回復すれば自然に消えていきます。


しかし筋硬結はときとして痛みを引き起こすことがあります。


これは『筋筋膜痛症候群』と呼ばれるもので、画像検査や血液検査をしても異常が見つからないのに、指で押したときに痛み(圧痛)を感じたり、帯状にコリを感じたりする症状です。


まさにこのしこりが肩こりの違和感・痛みの大元になっていることがあるのです。


 


また、筋硬結はそのまま放置すると、触らなくても痛むほどにまで症状が悪化することがあります。


痛みを感じるようになると体を温めたりストレッチをしたりしてもなかなか筋硬結を解消するのが難しくなっていきます。


そのため、しこりに気が付いたときは早めに対処することが悪化させないための鉄則です


 


筋硬結のできやすいポイントは、


・首の付け根と肩の先端の中間地点(肩井というツボのある場所)


・腕の付け根と大胸筋の間にあるくぼみ


・肩甲骨の内側にあるくぼみ


・首の付け根にある飛び出した骨の両脇


などです。



自分で触ってしこりができていないか確かめてみましょう。


筋硬結のしこりは、筋肉の中にビー玉ほどの大きさの丸い塊があり、押すとツボを指圧した時のような痛気持ちいい感覚があるのが特徴です。


このようなしこりができている個所は、疲労が蓄積されて固まっています。


肩こりを自覚していなかったとしても疲れがたまって筋肉は大きな負担を感じている状態なので、続いてご紹介するマッサージでしこりをほぐしてあげましょう。


肩のしこりのほぐし方

しこりがある場所は筋肉内の血流が悪くなっているところです。


筋硬結をほぐして柔らかくしましょう。


自分の指でも、テニスボールのような器具を使ってもほぐすことができます。


 


手を使ってほぐす


筋硬結をマッサージするときは全身の力を極力抜くようにしましょう。


 



  1. しこりがある場所を探し出し、しこりの真上に人差し指と中指の腹をあてる。

  2. しこりに対して真上からグーッと指の腹を押し当てる。

  3. 大きく息を吐きながら30秒ほど押し続け、指を離す。


 


このマッサージを3回繰り返しましょう。


刺激が足りないと感じたときは、指圧しながら首や肩をゆっくり回すとより奥まで刺激が届き効果的です。


また、体が温まっている状態で行うと血液の流れもよくなっているので効果的です。


お風呂上りに実践しましょう。


 


テニスボールを使ってほぐす


自分の手だけでは十分な刺激を与えにくい背中をほぐすときに活躍するのが、テニスボールを使ったマッサージです。


100均で売られているボールなどでも構わないので、黄色い硬式用テニスボールを2つ用意して、テープなどでくっつけます。


それを凝り固まっている筋肉に押し当て、体重をかけてごろごろと転がしましょう。


テニスボールマッサージのポイント

○凝りの気になる部分にギアをあて、体重をゆっくりかけて30秒ほど押しほぐします。

○体を前後左右に動かして、ギアを押し当てたまま転がして広範囲をほぐします。

○押し当てるときには、息をフーッと吐き出して、力を抜きます。

○同じ場所を連続でほぐすのではなく、広い範囲をまんべんなくほぐしましょう。

○気持ちいいと思える程度の強さでほぐしましょう。



ブヨブヨ・プニプニ。大きくなるしこりは病気かも!?


筋硬結以外にも肩にしこりができることがあります。


触ってもまったく痛みを感じなかったり、だんだん大きくなり皮膚の上からでも形がわかるようなしこりは筋硬結ではありません


他の病気である可能性が高いと考えられますので、経過をよく観察して、不安を感じたら医療機関に相談しましょう。


肩にできてしまうしこりは、たとえば次のような病気によって引き起こされることがあります。


 


〇粉瘤腫(ふんりゅうしゅ)


粉瘤腫は本来ならば垢として排出されるはずの老廃物が皮膚の下に溜まってしまう症状で、良性の腫瘍のひとつです。


始めは小さなしこりですが、老廃物がたまっていくと次第に大きく育って皮膚の上からでもわかるようになります。


ニキビのように毛穴が開口部になっていて黒ずんでいます。


大きくなると自分で垢を押し出すことができるようになりますが、垢がたまる袋を摘出しなければ再発します。


炎症を起こしたり、大きく育ってきたりする場合には皮膚科で取り除く処置をとりましょう。


 


〇脂肪腫(しぼうしゅ)


脂肪腫は皮下脂肪細胞が一か所だけ異常に増殖してしまったものです。


しこりには弾力があり、脂肪がたまると徐々に大きく育ち、直径5cmほどになることもあります。


粉瘤腫と同じく炎症を起こしたりしない限り傷みません。


脂肪腫は40代~50代の女性に多いとされています。


 


〇軟部肉腫(なんぶにくしゅ)


筋肉や脂肪、神経などの柔らかい組織にできる腫瘍の総称です。


体のあらゆる部分にできる可能性がありますが、肩にできることもあります。


悪性のものは血液の流れに乗って体の各部に転移します。


ガンの中では発生率が低く、胃がんの1/60、肺がんの1/90と言われています。


軟部肉腫は突然発生し急激に大きくなるという特徴があります。


直径5cm以上になるしこりは悪性腫瘍を疑った検査が必要になるので、医療機関に相談しましょう。


肩にできたしこりは経過を観察して!

肩にできるしこりのほとんどは、筋肉の疲れが原因の筋硬結だと考えられます。


この筋硬結では、筋肉が固まって老廃物がたまり、肩こりの痛みを感じる大元になっています。


しっかりもみほぐして体を温めれば、しこりもや肩こりもずいぶん軽くなるはずです。


日ごろからマッサージをして、肩のしこりを消していきましょう。


また、普段から意識的に体を動かしたり体を温めたりすることでしこりができるのを防止することができます。


 


ただ、押しても痛みを感じないしこりや大きく育っていくしこりは筋肉のコリではなく、他の病気の可能性が高いと考えられます。


不安を感じたら皮膚科などの医療機関を受診しましょう。


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