無視できないストレス性の痛み。心因性肩こり解決のヒント

疲れやすい、頭が痛い、目が疲れる…。

現代人に多い不調は、精神的なストレスが深く関わっていることが多いとよく言われています。

そして「肩こり」も例外ではありません。

寝具の見直しやストレッチなどの生活習慣の改善をしてもなかなか良くならない症状の陰には、心因性肩こりが隠れているかもしれません。

解決策を紹介します。

肩こりの原因は3つに分けられる

肩こりは首の後ろから背中にかけての広い範囲に「痛み」「違和感」「張り感」「こり」といったつらさを感じる状態です。


肩こりの有無を判断する上では自覚症状があるかどうかが重要で、重苦しい、だるいといった症状があれば、筋肉の硬さや首の可動域の狭さには関係なく「肩こり」だということができるでしょう。


首から肩にかけての筋肉は、もともと重たい首や、2本の腕を支えなければならないためかかる負担が大きく、肩の筋肉は凝りやすい場所にあるといえます。


実際に厚生労働省の「国民生活基礎調査(平成19年度)」では、女性が訴える自覚症状の第1位が肩こりで、男性でも第2位という位置に挙げられているのです。


 


「疲れ」のパラメーターのように捉えられることが多い肩こりですが、中には神経や骨の病気によって引き起こされている肩こりもあり、その原因は案外複雑です。


より詳しく見てみると、肩こりは大きく3つのタイプに分類されています。



1.本態性肩こり


ごく一般的な肩こりのことで、原因となる病気がない肩こりのことを指します。


過労や運動不足、体の冷え、姿勢の悪さなど、影響していると考えられる生活習慣を挙げれば切りがありません。


本態性肩こりでは筋肉に疲労が蓄積しているので、触ると張りやコリを感じることができます。


なにはともあれ、生活習慣を改善していくことが大切です。


 


2.症候性肩こり


本態性肩こりとは対照的に病気が引き起こしている肩こりを指します。


代表的なものでは頚椎疾患や肩関節周囲炎(五十肩)、更年期障害などが挙げられます。


中には内臓病のような一刻を争うような危険な病気もあり、軽視せずに病院で診断し、原因を突き止める必要があります。


 


3.心因性肩こり


慢性腰痛などの痛みの原因として知られているように、精神的な要因も存在しています。


一般的には、不安感や緊張感によって筋肉が過剰に収縮し、首や肩の筋肉群の緊張を招いてしまうことが多いとされています。


また、ストレスによってドーパミンが過剰に分泌されることで、筋肉の収縮が持続してしまう要因となっています。


環境や疾患などで一度できた肩こりが慢性化してしまった後、肩こりを意識しすぎるあまり心因性の影響で症状が悪化してしまうこともあります。


この心因性肩こりが今回の主役です。


 


 


日本語ではプレッシャーがかかったり、精神的に余裕がなくなったりするような状況を「肩に重荷がかかる」とか「重く肩にのしかかる」といい肩に負担がかかっているかのような言葉遣いをよくしますが、まさにこの表現がいい得ているように、肩こりは精神的なストレスと深く関係しているのです。


ストレスが多い現代社会では、原因がわからない肩こりの中に、心因性肩こりが関係している人の割合が増加していることが推測されます。


心因性肩こりを解消するためのヒント

本態性肩こりならばストレッチや鎮痛薬、症候性肩こりならば原因となっている基礎疾患の治療が進められますが、心因性肩こりは運動療法や鎮痛剤でもなかなか改善していかない場合があります。


心因性の疼痛では、痛みを発している要因が解消されていても「痛み」や「違和感」を自覚し続けてしまうためです。


 


そこで心因性肩こりを解消するためには、まず気持ちを落ち着かせて気持ちを前向きに捉えていく取り組みが肝心になってきます。


解決に役立つかもしれないいくつかのヒントをご紹介しましょう。



楽しくなくても頻繁に笑ってみせる


一般的な常識では、人は「悲しいから泣く」「楽しいから笑う」と考えられていますが、心理学の教科書には、これとはまったく逆の「泣くから悲しい」「笑うから楽しい」ということを主張するジェームス・ランゲ説が紹介されています。


この説は一見矛盾だらけでさまざまな議論を呼びましたが、私たちの生活を振り返ってみると、感情が後からついてくる例というのは、いくつか心当たりがあるのではないでしょうか。


また、抑うつ状態は人との交流が制限される状況で発生しやすいことからも、常に笑顔を絶やさず交流を大切にする心構えは心必要不可欠なことなのです。


 


深いゆっくりな呼吸をしてみる


スポーツの世界では、呼吸が重要視されています。


これは、呼吸が浅くなると体に余計な力が入りやすくなり、最大限のパフォーマンスを発揮できなくなってしまうからです。


同じように、日常生活でも呼吸が浅くなると肩に余計な力が入り、肩がこりやすくなってしまいます。


呼吸が速いことで緊張しやすく、精神的なプレッシャーもより大きく感じてしまいます。


疲れたときこそ、鼻から吸ってお腹いっぱいになるまで吸い続け、口からゆっくり吐き出す「腹式呼吸」を心がけてみましょう。


 


漢方薬を試してみる


精神的ストレスによって発症した肩こりに対して処方されることがある漢方薬というものがあります。


柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、抑肝散(よくかんさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)などの漢方薬を試してみるのもいいかもしれません。


 


 


ただし、素人が安易に精神的なものだから、と決め付けてしまわないことが肝心です。


一見危険がないように見える肩こりの中にも、狭心症や神経障害など、危険な疾患によってひきここされているものも少なからずあるからです。


運動したときに肩が痛む、手がしびれる、安静にしていても悪化していくといった特徴に気がついたときには病院を受診するようにしましょう。


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